【この記事でわかること】
・雪の被害は保険で補償される?
・どんな被害がどこまでカバーされるのか
・雪害で火災保険を請求する手順
・雪害・雪災で保険金が支払われる事例
・雪害・雪災で保険金が支払われない事例
・火災保険の補償を理解したうえで雪害対策を万全に
あなたがお住まいの地域では、冬になると雪によるさまざまな被害を耳にすることはありませんか?
火災保険は雪による被害についてもカバーできます。しかし、火災保険に加入したときの契約内容や被害の状況によっては保険金が支払われないケースもあるようです。
この記事では雪害や雪災のときに火災保険が利用できる事例やその申請手順について詳しく解説しています。
これから火災保険のご加入をお考えの方はもちろん、火災保険に加入していても申請方法がよくわからないという方も、ぜひご一読ください。
雪の被害は保険で補償される?

雪の被害はどこまで保険で補償できるでしょうか。
雪が多い地域では雪の重みによる被害、屋根の積雪の落下等による事故または雪崩などの被害が多く発生します。
火災保険では雪災も含めた自然災害について広い範囲にわたって補償できますが、契約内容によっては被害にあっても補償されない場合があります。
<補償されないケース その1>
・保険の対象に入っていない部分の補償
個人で火災保険に加入する場合、自宅などの「建物」と、家具や家電製品などの「家財」は分けて火災保険に加入する必要があります。「建物」か「家財」のいずれかを保険の対象にしていなかった場合、補償できないことがあるので事前に確認しておきましょう。
・「建物」とは
住居に使用される建物はもちろん、入口にある門や建物を取り囲む塀全体、物置や車庫にいたるまで建物として補償の対象となります。車庫やカーポートも建物に含まれます。土地や庭木は含まれません。
・「家財」とは
日常生活で使用している備え付け以外の家具や家電、衣服等が対象となります。家財を建物の外に持ち出しているときは補償の対象になりません。
<補償されないケース その2>
・修理金額が免責金額以下の場合
免責金額とは、簡単に言えば自己負担金額のことです。
雪の被害に遭った部分の修理見積もり金額がはじめに設定した免責金額を超えない場合、保険金は支払われません。
免責金額の設定には二つの方式があります。
・免責方式
「一定の免責金額を契約者が決めて、被害額からその免責金額を引いた金額が保険金としてい支払われる」という方式です。
例えば免責金額を3万円に設定した場合、被害金額が3万円だと保険金は支払われません。
被害金額が5万円になると差額の2万円が保険金として支払われます。
・フランチャイズ方式
「一定の被害額を超えたら保険金が全額支払われる」という方式です。
フランチャイズ方式では免責金額を20万円に設定した場合、損害額が20万円を超えるまでは全額自己負担、20万以上で全額保険金が支払われます。
どんな被害がどこまでカバーされるのか
雪にまつわる被害は、どこまで火災保険でカバーできるのでしょうか。
・雪による屋根の破損
雪の重みによって屋根や雨どいなどが壊れたり変形した場合の被害については、雪災補償でカバーできます。
・雪による水漏れ
同じく屋根に積もった雪の重みで屋根材や雨どいが割れ、屋根に積もった雪が溶けて水になった際、割れた屋根材のすき間から天井に浸み出した場合の被害についても、雪災補償でカバーできます。
・雪による車庫(カーポート)の破損
雪の重さで敷地内の車庫やカーポートが壊れた場合、66㎡未満の車庫については雪災補償でカバーできます。ただし、保険の対象が「建物」である場合に限ります。
・雪による車の破損
敷地内の車庫に駐車してある場合でも、自動車については火災保険の対象外となっているのでカバーできません。車の破損については自動車保険の車両保険で修理可能な場合があります。
・雪による転倒
スキー場での骨折など、雪が原因での転倒によるケガは火災保険の対象にはなりません。傷害保険に加入していれば入院代金や通院代金に関しては補償されます。また、医療保険でも状況によっては支給対象となります。
・雪崩よる被害
豪雪地域では雪崩による被害も考えられます。雪崩により建物の外壁が破損した場合は「建物」が火災保険の対象であれば雪災補償でカバーできます。また、室内に流れ込んだ雪で家財が破損した場合、「家財」が対象であれば同じく雪災補償でのカバーが可能です。
・融雪洪水
融雪洪水とは多量の積雪が急激な気温上昇などによって一時に溶け、河川を増水させることにより起こる洪水です。融雪洪水によって床上浸水した損害は、火災保険の水災補償でカバーできます。ただし、保険の対象が建物か家財のどちらか一方の場合は、それぞれに該当する対象物しか補償されません。
・除雪作業中の事故
除雪作業中の事故は火災保険の対象とはなりません。労災や傷害保険、医療保険などの補償を受けられる場合があるので、仕事中の事故の場合は所属している事業所に確認し、加入している傷害保険や医療保険があれば、それぞれの保険会社に問い合わせましょう。
雪害で火災保険を請求する手順
雪害が発生した場合の火災保険の請求手続きは以下の通りです。
損害が発生してから3年以内は申請可能ですが、時間が経過すると自然災害であることの証明が難しくなるので、できるだけ早めに申請の手続きをしておきましょう。
1.保険会社に連絡
雪の被害にあったときにまずはじめにするべきことは、契約する保険会社への連絡です。
2.業者に見積もりを依頼する
専門の修理業者に見積もりを依頼します。見積もり内容によっては保険金が支払われない場合もあるので、火災保険の申請に関する経験が豊富な業者に依頼することをおすすめします。
3.保険会社から申請書類が送られてくる
保険会社から保険金の請求に必要な書類や案内などが送られてきます。保険金の請求書の記入が難しいときは、火災保険申請代行サポートを利用するのも一つの方法です。
4.保険会社に申請書類を送付
保険会社の案内に従って、契約者本人が記入した保険金請求書と事故状況説明書、修理業者に依頼した修理の見積書、被害状況の写真等などを送付します。被害状況によっては「罹災証明書」が必要になる場合もありますので確認しておきましょう。
5.保険会社の調査
保険会社の鑑定人が被害の状況を確認し、正しい申請が行われているか調査を行います。この調査結果と申請書類をもとに審査が行われ、保険金額が決まります。鑑定人の派遣は被害状況や申請内容によっては実施されない場合もあるようです。
6.保険金の入金
保険会社の調査が終了し、保険金額が確定したら、契約者の指定する口座に保険金が支払われます。
7.被害箇所の修理
保険金の入金が確認できたら業者に修理を依頼します。
雪害・雪災で保険金が支払われる事例
火災保険では雪害・雪災によって建物や家財に損害を受けた場合に補償が受けられます。
雪の被害によって保険金が支払われる事例にはどのようなものがあるでしょうか。
<火災保険の補償を受けられる事例>
・ 雨どいの歪み
雨どいは積もった雪が溶けるまで雪の過重がかかり続けることで反ってしまい、本来の役割を果たせなくなります。積雪による雨どいの歪みほとんどのケースで保険金が支払われます。
・屋根の破損
大雪で屋根への加重により軒先がゆがんだり、2階からの落雪により1階の屋根瓦が損傷したりすることがあります。損害の状況により屋根瓦の葺き替え工事のための保険申請が可能です。
・カーポートやテラスの破損
大雪の影響でカーポートが倒壊したり、穴があくといった破損の場合、保険の申請ができます
・雨漏り
屋根の谷部などは雪が滞留しやすい部位なので、排水性が悪い雪解け水の影響で雨漏りが発生するケースもあるようです。ただし、この補償が受けられるのは突発的な積雪の場合に限ります。長期的な雪解けによる雨漏りの場合は、自然災害と認められず保険金が支払われません。
・アンテナや給湯器の破損
落雪によるアンテナや給湯器の破損についても、修理・交換に関する費用をを保険会社に申請できます。
・雪崩による建物や家財の破損
雪崩によって建物が全壊し、家財が破損した場合の補償は、それぞれ「建物」「家財」の保険で申請可能です。
雪害・雪災で保険金が支払われない事例
雪の被害によって保険金が支払われない事例はこちらです。
どのような場合に火災保険の補償が受けられないかについても把握しておきましょう。
<補償を受けられない事例>
・雪でカーポートが倒れて車が破損した場合
カーポート自体の損害は火災保険で補償できますが、車については火災保険の補償の対象外となります。自動車保険で車両保険に入っていれば、保険を使っての修理は可能です。
・損害額が免責金額以下の場合
火災保険の契約の際には必ず免責金額を設定します。免責方式の契約であれば、損害額が契約時に設定した免責金額上回らなければ保険金は支払われません。
・経年劣化の場合
火災保険は自然災害による損害のみ補償されます。保険会社の調査の結果、被害が自然災害によるものではなく、経年劣化が原因と判断された場合、火災保険の補償の対象外となり保険金は支払われません。
・事故発生から3年以上経過している場合
保険法により保険金請求の時効は支払事由が発生してから3年と定められています。忙しいから後で請求しようと思っていて、そのまま忘れて3年が経過してしまうと保険金の請求ができなくなってしまいます。
・雪解け水で洪水や土砂災害が起きた場合
雪解け水が原因の洪水や土砂災害については「雪災」ではなく「水災」での補償となります。契約している火災保険に水災補償がついていない場合は補償を受けることはできません。
火災保険の補償を理解したうえで雪害対策を万全に

いかがでしょうか。
冬場の降雪が多い地域にお住まいの方にとって、火災保険への加入は大きな安心となります。また、火災保険は火災や雪災だけではなくさまざまな自然災害なども損害補償の対象になるのです。
ただし、雪による被害であっても火災保険で補償が受けられないケースもありますし、修理金額が免責金額に満たない場合は自己負担額で修理する必要もでてきます。
自分の加入している火災保険の内容は事前に把握し、雪に関連するリスクに対してしっかり対応できるよう備えておきましょう。
また、最後まで読んでみても申請に関する不安が拭えない方は、ぜひ火災保険申請代行サポートを利用してみてください。
少しでも分からないところがある方、火災保険に関するお悩みやトラブルを抱えている方は、ぜひ建物鑑定までお気軽にご相談ください。
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