「地震の場合、火災保険は下りるの?」
「地震よる火災保険はどう申請したら良いの?」
「地震で火災保険を申請するデメリットはある?」
上記のような悩みや疑問を抱えている方も多いことでしょう。この記事では、地震における火災保険の給付金について分かりやすく解説しています。
具体的には、給付金の種類や給付金が下りる金額、地震による火災保険の給付金の申請手順など幅広く説明しています。
この記事を読むことで、地震による火災保険の給付金について詳しくなれるでしょう。いざという時もスムーズに申請できるようになります。
ぜひとも、参考にしていただけたら幸いです。
そもそも火災保険って何
火災保険とは、万が一に備えて加入する保険です。火災保険に加入すると、火災や自然災害で建物・家財に被害が出た際、保険金が給付されます。
火災保険は火災だけが対象ではないので、さまざまなリスクに対して保険を掛けられるのです。仮に被害が生じた際は、保険会社から保険金が給付される仕組みとなっています。
地震保険もありますが、地震保険単体では契約できません。地震保険は火災保険とセットで加入する必要があります。ちなみに、地震保険で補償される金額は上限が定められています。
地震保険の特徴 |
➀火災保険の金額の30~50%の範囲内 |
➁かつ建物は5,000万円まで |
➂かつ家財は1,000万円まで |
保険金は“損害保険金”と“費用保険金”の2つで構成されています。それぞれの特徴を見ていきましょう。
費用保険金とは
費用保険金は見舞金とも言い、損害とは別に発生するさまざまな費用を補償してくれます。費用保険金では、被害箇所の修繕に関する費用を対象としていません。
例えば、家が全壊して一時的にホテルに住む場合、そのホテル代を負担してくれる費用は、費用保険金に当てはまります。
保険会社によって費用保険金の補償対象は異なりますが、一般的には下記のようなものがあります。
残存物片づけ費用保険金 |
地震火災費用保険金 |
失火見舞費用保険金 |
臨時費用保険金 |
特別費用保険金 |
損害保険金とは
損害保険金とは、補償対象である建物や家財に被害が生じた場合、その被害に対して支払われる保険金を指します。損害保険金で補償される対象には、下記のようなものがあります。
【火災リスク】 | 火災・落雷・破裂・爆発 |
【自然災害リスク】 | 風災・ひょう災・雪災・水災 |
【日常生活リスク】 | 水濡れ・盗難・偶発的な事故・物体の落下による破損 |
対象は火災や自然災害だけではありません。盗難や偶発的な事故も補償対象です。補償対象を広げるほど保険料は高くなるので、自分に合った補償だけを選ぶことも大切です。
火災保険の給付金は3種類あります【共済の場合】
共済保険と民間保険において、火災保険の補償内容は基本的に同じです。ただ、保険金の名前や補償される金額は共済保険と民間保険で異なってきます。
共済の保険金は、主に下記3つの共済金で構成されています(※各共済で名称は異なってきます)
- 地震等基本共済金
- 見舞い共済金
- 火災等共済金
1つずつ見ていきましょう。
地震等基本共済金
地震等基本共済金は、地震に関する被害を補償してくれる共済金です。地震だけではなく、地震によっておこる津波・噴火も補償対象になります。
共済保険に加入していて、地震でおこった被害の給付金をもらう場合、地震等基本共済金という名目で振り込まれます。
見舞い共済金
見舞い共済金は、主に自然災害での被害に対して支払われます。言い換えれば、火災等共済金でカバーされない被害が対象だということです。
補償対象には下記のようなものがあります。
強風や突風、暴風雨 |
洪水 |
ひょう災 |
雪災 |
雪崩 |
高潮や高波 |
参考に、風災の被害で見舞い共済金が下りるケースが多いです。
火災等共済金
火災等共済金は、火災など自然災害で補償されない被害に対して支払われます。見舞い共済金でカバーされない被害が対象です。
補償対象には下記のようなものがあります。
火災 |
落雷 |
破裂や爆発 |
水濡れ |
飛来物による損害 |
突発的な第三者による直接加害行為 |
火災による被害だけが対象ではなく、落雷や爆発・飛来物などさまざまな被害が火災等共済金として支払われます。
地震による火災保険の給付金はどのくらいもらえるのか
地震による被害の場合、火災保険とセットで地震保険に加入していたとして、給付金はどのくらい貰えるのでしょうか?
貰える金額は民間保険と共済保険で異なります。ここからは、地震による被害でどれくらいの給付金をもらえるのか見ていきましょう。
民間保険の場合
民間保険は補償内容や特約を自由にカスタマイズできるので、契約内容によって給付金額は大きく差が出るでしょう。一般的には、下記のような幅に収まることが多いです。
戸建て | 50~150万円 |
アパート・マンション | 70~200万円 |
共済保険の場合
共済保険の場合、民間保険に比べて給付金額は低くなりやすい傾向にあります。一般的には、下記のような幅になります。
戸建て | 30~60万円 |
アパート・マンション | 40~60万円 |
共済保険は補償される範囲が狭かったり、上限金額も低く設定されたりしています。民間保険と比べて、給付金額は低いということを覚えておきましょう。
地震による火災保険の給付金を申請するデメリットはなし
結論から申し上げますと、地震による火災保険の給付金を申請するデメリットはありません。しかし、火災保険を申請するにあたり、注意点はあります。
火災保険の給付金を受け取るためには、保険会社に申請をし、認可されなければ保険金は下りません。火災保険の申請は複雑な上に、認可されないケースも多く見受けられます。
保険会社も営利事業なので、なるべく支出は抑えたいと考えています。そもそも収入より支出が多ければ倒産してしまうでしょう。加入側に火災保険を使うデメリットがないからこそ、申請が通りにくい場合もあるのです。
例を挙げると、保険会社に相談や申請をした際に「経年劣化なので火災保険は使えません」と言われる場合があります。確かに経年劣化では保険金は下りません。
ところが、後日に「火災保険申請サポート業者に相談したら保険が下りた」というケースも多く見受けられます。素人では分からないだろうと思い、“経年劣化”という言葉で納めようとする保険会社もあります。
火災保険を申請するにあたり、裁量権が保険会社に大きくあるという点では、デメリットといえるでしょう。
火災保険の申請が受理される条件
火災保険の申請は必ずしも受理されるとは限りません。ただし、下記条件に当てはまる方は給付金をもらえる可能性が高いです。
- 自然災害など保証がついている
- 対象となる被害を受けている
申請が受理される大前提として、対象となる被害を受けている必要があります。また、自然災害による被害も申請が受理されやすい傾向にあります。
特に風災は屋根部分の被害が多く、屋根はそうそう見ることがありません。火災保険申請サポート業者に調査を依頼して、初めて被害が見つかったというケースも非常に多いです。
築10年から給付金は貰える?
火災保険において、築年数は関係ありません。新築であっても、被害を受けたのであれば、保険金は受け取れます。
確かに、火災保険申請サポート業者は「築10年以上の物件」を対象にしているところが多いです。その理由としては、単純に被害が見つかりやすいからです。
火災保険の申請において、築年数は関係ないので留意しておきましょう。築年数にかかわらず、被害を受けたと保険会社に認定されれば、給付金はもらえます。
住宅ローンは関係あるのか
火災保険の給付金の受け取りにおいて、住宅ローンの有無は全く関係ありません。補償内容も全く同じです。給付金に、住宅金融支援機構の質権を設定していたとしても、問題ありません。
保険会社→お客さまに保険金が振り込まれるという流れが、保険会社→住宅金融支援機構→お客さまという流れに変わるだけです。
“振り込まれるのが遅くなる”といった違いはありまが、その他の違いは何もありません。
地震による火災保険の給付金を申請する手順

地震による火災保険の給付金を申請する手順としては、下記のようになります。
手順1 | 保険会社に連絡を行う |
手順2 | 保険会社に必要書類を提出する |
手順3 | 保険会社による審査 |
保険会社の結果を受け取る |
1つずつ見ていきましょう。
手順1保険会社に連絡を行う
地震による被害を発見した場合、速やかに加入している損害保険会社に連絡することが大切です。連絡した際、下記のことを伝える必要があります。
- 契約者氏名
- 保険証券番号
- 事故内容
- 被害状況など
最後に、保険会社から必要書類についての案内があるので、しっかりメモしておきましょう。余裕があれば、被害箇所の写真を撮っておくと良いでしょう。その場合、被害箇所の写真だけではなく、全体の写真を撮っておくこともおすすめします。
手順2保険会社に必要書類を提出する
保険会社に連絡した後、必要書類が送られてくるので、記入して提出しましょう。提出する書類には、下記のようなものがあります。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 被害箇所の写真
- 事故内容報告書
- 損害明細書
修理見積書や被害箇所の写真は修理業者に依頼すると作成・撮影してくれます。必要書類一式が揃ったら、保険会社に送付しましょう。
手順3保険会社による審査
書類を送付した後は、保険会社の審査を待つだけです。申請内容が正しいかどうかチェックをおこない、保険金の支払額が決定します。
被害状況や規模によっては、保険会社から鑑定人が現地へ調査しに来る可能性も考えられるでしょう。その場合は、調査結果と申請内容を照らし合わせて審査をおこないます。
審査では、絶対に保険金が下りるわけではありませんので留意しておきましょう。
保険会社の結果を受け取る
保険金が下りると確定した場合、送付後30日以内に指定した口座に入金されます。
鑑定人が現地へ調査しに来た場合は、長引くことが考えられるので、入金まで30日を越える可能性も十分に有り得ます。
保険金の金額の確定後、まずは契約者(申請者)に確定金額を伝えます。契約者が同意すれば、指定した口座に保険金が振り込まれるといった流れです。
地震による火災保険の給付金には税金がかかるのか
地震による火災保険の給付金に対しての税金は、個人と法人で異なります。自身がどちらになるか、必ず把握しておきましょう。
個人の場合、給付金に対して税金はかかりません(非課税)つまり、確定申告も不要です。
個人の場合は使い道も自由なため、受け取った給付金は何に使っても構いません。被害箇所の修繕に使わず、旅行や娯楽など、何にでも使って良いのです。
法人の場合、給付金に対して税金がかかります(課税対象)よって、確定申告する必要があります。法人の場合は、税理士に相談してみても良いでしょう。適切な処理の仕方を教えてくれます。
地震による火災保険の給付金を申請する際、詐欺に注意しよう
地震による火災保険の給付金を申請する際、火災保険申請サポート業者に依頼する人も多いです。ただ、近年では悪質な業者による詐欺・トラブルも増加しています。
よくある詐欺・トラブルには下記のようなものがあります。
壊れていない箇所をわざと壊して、保険会社に申請をする |
契約内容をキチンと説明せず、強引に契約を結ばせようとしてくる |
自己負担ゼロを何度も強調する |
申請サポート+工事が一体になった契約 |
契約前に現地調査に行く |
火災保険申請サポート業者のトラブルは、訪問による勧誘からが多いとされています。特に、70歳以上の高齢者を狙う業者が多いそうです。
悪徳業者は強引に契約を迫るのが特徴的なので、注意しましょう。強引に契約を迫る割には、説明がほとんどありません。また、契約前に現地調査にくる業者も避けた方が賢明です。
思わぬトラブルや詐欺に巻き込まれることもあるので、注意しておきましょう。
まとめ:地震の場合、火災保険の給付金はどうなるのか

この記事では、地震の場合の火災保険の給付金について説明しました。前提として、地震に対する補償を受けたい場合、火災保険にセットという形で地震保険に加入する必要があります。
地震による火災保険の給付金の申請において、デメリットはありませんし、個人であれば税金もかかりません。ただ、地震保険の特徴として下記のことは覚えておきましょう。
- 火災保険の金額の30~50%の範囲内
- かつ建物は5,000万円まで
- かつ家財は1,000万円まで
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。