【この記事でわかること】
- 火災保険申請代行の違法性
- 火災保険申請の資格について
- 火災保険の申請は専門業者を使うべき
火災保険の申請代行に関するトラブルが近年増加しております。
損害保険協会の調べでは、2020年には5,359件のトラブル相談がありました。
トラブルの原因としては、悪質業者が増加していることが言えるでしょう。
火災保険の申請代行の業務には、免許が必要ありません。そのため、新規参入が容易であり、自然災害の増加に伴って、業者の増加が続いております。
業者が増えることで、悪質な業者の存在も出てきている状況です。
今回のテーマは、悪質業者に騙されないための内容をお伝えしていきます。
火災保険申請代行は違法なのか
火災保険申請サポートは違法ではありませんが、火災保険申請代行は違法になります。
理由は、火災保険の代理請求ができるのは弁護士、または行政書士のみになるからです。
火災保険申請代行は火災保険の契約者に代わり、全ての手続きを代行することができるので、資格のあるものにしか認められていません。
依頼をする際には、合法である火災保険申請サポート会社にお願いをした方が良いでしょう。
火災保険申請代行の手数料は成果報酬が一般的?相場は?
火災保険申請代行の手数料を説明いたします。
基本的には、成果報酬を取り入れています。
相場は、受取った保険金×33~44%です。
火災保険の請求にあたって行なう作業を全てサポートしてくれますので、決して高い金額ではないでしょう。
火災保険申請代行業者にお願いをすることで、気が付かなかった火災保険の被害を見つけることができるケースが多くあるため、頼むメリットがあります。
火災保険申請の「申請サポート」と「申請代行」の違い
申請サポートおよび申請代行の違いについて、下記解説いたします。
分かりやすく図にしてみましたので、ご参照ください。
申請サポート | 申請サポートは申請にあたり必要な書類や申請方法をサポートしてくれます。 |
申請代行 | 申請代行は、本人に代わり全ての保険金の請求手続きを行なう事 |
火災保険申請代行が違法行為・契約違反にならないケース
- 弁護士や行政書士の資格を持っている人が行なう場合
こちらは違法性はありません。
理由は、弁護士や行政書士は法的に契約者の代理を行う事が認められています。
もし、代行業者に依頼をされる際には、有資格者であることを確認してから頼みましょう。
- 無料で行なう申請代行業務
ボランティアで無料で行なっている業者も違法性はないと言えます。
理由は、※非弁行為には当たらないからです。
そもそも無料では、事業の継続が出来ないため、どこかで利益を取っている可能性が高いでしょう。
結果的に、依頼をした人が損をするケースもあるので、どこで利益を得ているのかは直接確認しましょう。
※非弁行為とは、弁護士以外の人が、報酬を受け取って弁護士業務を反復継続の意思を持って行なう事です。
火災保険申請代行が違法行為・契約違反になるケース
- 弁護士資格や行政書士以外の人が火災保険申請代行をした場合
弁護士資格や行政書士の資格のない人が申請代行業務を行う場合は非弁行為にあたるため、違法になります。
違法性なことを行っている業者は、コンプライアンス意識の低いことから、悪質業者である可能性は高いでしょう。
そのような業者には依頼をしないことをオススメします。
- 火災保険申請代行業は無料になるが、リフォームが必須の契約の場合
こちらは、独占禁止法にあたり、違法になります。
実際には、違法にならないために申請代行業の手数料を10~15%に引き下げ、リフォーム契約を必須としているところもあります。
この場合、保険金がおりなかった場合にも、リフォーム工事がしなければならないことになるので注意しましょう。
- 虚偽の申告をする
不正請求を行った場合には、詐欺罪に問われる可能性があります。
罪も重く、人生を棒に振る可能性がありますので、注意しましょう。
火災保険申請の資格は不要?どんな資格がある?
損害保険登録鑑定人資格とは
建物や動産の保険価額の算出、損害額の鑑定、事故の原因・状況調査などを行う専門家で、一般社団法人日本損害保険協会の実施した試験に合格した人です。
全国で試験が行なわれていますので、地方出身者も受験しやすいでしょう。
損害保険登録鑑定人3級とは
受験資格:特にありません。
合格率:20~30%
試験科目は、「保険・一般常識」「電気・機械」「建築」の3科目あります。
3科目とも100点満点として、3科目とも60点以上が合格としています。
勉強をすれば、誰でも合格ができる試験でしょう。
鑑定人の資格がほしい人は、3級から目指してみましょう!
損害保険登録鑑定人2級とは
受験資格:3級に合格し、3級鑑定人に登録されている人
合格率:10~20%
「保険・一般常識」、「電気」「機械」「建築」「簿記会計」の科目があり、各科目単位合格としています。
合格点は100点満点中、70点です。
3級よりも合格基準点が上がっていますが、各科目単位合格としているので少しずつ合格を目指すこともできるため、コツコツやれば合格できるでしょう。
損害保険登録鑑定人1級とは
受験資格:2級に合格し、2級鑑定人に登録されている
合格率:5~10%
「電気」「機械」「簿記会計」「保険・一般常識」「建築」「研究レポート」の科目があり、各科目単位に70点以上を合格とします。
こちらも科目合格制なので、コツコツやっていくことが大事です。
難易度は高めですが、地道にやれば合格できるでしょう。
損害保険登録鑑定人の役割
鑑定人は損害保険会社から委託を受けて、保険対象物の評価、損害額の算出、事故の状況、原因の調査やそれらに関する業務を行います。
保険会社の要請で鑑定を行いますが、ポイントは第三者機関として動いています。
中立、公平の立場で行っています。
火災保険申請代行でよくあるトラブル
ここからは、火災保険申請代行でよくあるトラブルをご紹介していきます。
良くあるトラブルを確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。
- 保険会社へ虚偽の事故報告を依頼する
申請代行業者は保険金を不正に取得するために、虚偽の報告を保険会社にします。
事故の原因を偽って報告したり、無かった事故を故意に作ったりなど、悪質な業者は何でもありの状況です。
大事なことは、不正な保険金請求手続きにお客さまが加担してしまうと、同罪に問われてしまう可能性があります。
詐欺罪に問われるリスクがあるため、まずは、業者が信頼できる会社なのかとその担当者が信頼できるのかを確認していきましょう。
- 不要な工事を押し付ける
火災保険申請代行の業務を無料や格安な手数料(10~20%)で承っている会社は、工事とのセット契約を提案してきます。
仮に、保険の認定がおりなかったケースでも工事を行なわなければその業者の利益は取れないため、必要のない工事を行うケースがあります。
そもそも、工事とのセット契約はするべきでは無いでしょう。
保険の認定とは分けて考えるべきです。
- 特定商取引法に基づく記載がない
日本では、商取引においては、必ず特定商取引法に基づく記載が求められています。
その記載が無い業者は、まず、悪質業者と考えて間違いないでしょう。
なので、契約時に記載が無い場合には指摘して、断りましょう。
火災保険申請代行で違法行為や詐欺にあった場合の対処法
違法行為や詐欺にあった場合には、まずは1人で抱え込むことはやめておきましょう。
下記、いずれかの相談窓口に相談をしましょう。
まずは、相談をすることで解決の糸口が見つかるかもしれません。
人では、なかなか解決するのは困難です。必ず人に相談することを意識しましょう。
(相談窓口)
- 契約している保険会社
- 一般社団法人日本損害保険協会
- 消費者ホットライン
- 警察
そして、詐欺や違法行為にあった後に動いても、なかなか大変なことが多いです。
お金を失えば返ってこない事も多いですし、一番は、被害に遭わないことを大前提に考えましょう。
被害に遭う前に、未然に防ぐことができれば、このようなトラブル被害を受けることも無くなるでしょう。
火災保険申請サポートや代行でトラブルに遭わないための対策
トラブルに遭わない為の対策をまとめました。
まずは、飛び込み訪問の火災保険申請サポート会社を利用しないということです。
飛び込み業者は悪質が多いと言われていますので、まず断りましょう。
次に、信頼できる火災保険申請サポート会社を利用することです。
信頼できる基準としては、手数料が適正であること、HPがあることなどになります。
手数料が無料で工事とセット契約の会社は避けておいた方が良いでしょう。高額な工事代金を請求される危険があります。
自社のHPが無いと、何かトラブルがあった際に、相手に請求ができません。
必ずHPがあって、会社としての実態のあるところに相談をしましょう。
火災保険申請サポート会社が決まった後には、「契約書」をしっかりと確認することも重要です。
契約書は全て読み込み、不明点があれば確認するぐらいの覚悟があっても良いかもしれません。
火災保険申請サポート会社は悪質な会社も増えていますので、特に慎重に選びましょう。
火災保険の申請は専門業者を使うべき
火災保険申請サポート3つのメリット
①気が付いていない被害を見つけてもらえる
やはり火災保険申請サポート会社に依頼をしない場合、自分で見つけることが出来た事故のみ請求を行なうことになります。
そのため、例えば屋根の被害など、普段自分が見えない場所については、請求が漏れてしまうリスクがあるでしょう。
結果的に、受け取った保険金額が少なくなってしまったという事例は非常に多くあります。
第三者のプロの目でチェックをしてもらうことで、細かいところも火災保険の請求が出来る部分を見つけてくれるため、実際に多くの保険金を受け取ることができるのです。
自分が依頼した業者では、依頼をした部分のみしか見てはくれないため、保険金の請求漏れが発生してしまう事例は多くありますので、注意が必要です。
②保険金の請求に必要な資料を準備してもらえる
保険の請求に必要な資料はたくさんあります。これをはじめて準備するということになると、多くの手間と時間がかかります。そうした時間は何も生み出すことは出来ない時間であり、お客様自身のプライベートな時間や仕事の時間を削られてしまう可能性があります。
そして、火災保険の請求はそう何度もあることではなく初めて経験される方が多いため、初めての手続きは尚更時間がかかります。
プロに頼めば、全て漏れなく行ってもらえますので、安心できるでしょう。
③認定をもらえなかった時や減額をされた時に相談できる
火災保険は、必ず認定がおりる訳ではありません。保険の約款に基づいて、審査が行われますが、認定がおりないケースもございます。
そうした場合には、自ら保険会社に電話をして交渉を行う必要があります。
知識も無い人が電話で交渉を行っても、プロに言い負かされて終わりです。専門家に相談をしながらすすめていくことで、解決の糸口が見つかります。
保険会社は、どちらかと言えば保険金を支払いたくないと思っているでしょう。
そうした中で保険金を受け取るためには、ある程度交渉が必要なのは間違いないのです。
交渉をするために必要な資料やどのように伝えたらいいかなども、全て火災保険申請サポート会社が準備しますので、安心してお任せください。
火災保険申請サポート2つのデメリット
①手数料がかかる
通常、火災保険の請求を自分で行なえば手数料はかかりません。しかし、自分で行なう事で請求漏れが発生したり、多くの手間がかかることは事実です。
特に請求漏れが発生してしまうと、貰えたはずの保険金を受け取り損ねてしまう事になるため、手数料を払ったとしても依頼をした方がお客様の受取保険金額は多くなることはあるでしょう。
そして、自らの大事な時間を火災保険の請求というものに使わずに済むので、皆さんにとって大事な時間を有意義に使うことができるでしょう。
費用は掛かりますが、費用を払ってでも頼む人が増えているのはそういう理由でしょう。
②悪質業者を選んでしまうリスクがある
火災保険申請サポート会社には悪質業者が増えています。悪質業者は、飛び込み訪問でやってくることが多いのですが、それは全て断りましょう。
悪質業者を選ばないコツは、自分で探した火災保険申請サポート会社に連絡をすることです。
良質な業者は、営業をかけてきません。普通に待っていれば、相談が来るものです。
HPを持っているところで、工事とのセット契約ではないところであれば安心できますので、ご相談下さい。
火災保険申請代行(質問Q&A)
火災保険申請サポートは違法なのでしょうか?
違法ではありません。
「火災保険申請代行」は弁護士や行政書士以外の人が行えば、違法です。安心してご相談下さい。
火災保険申請サポートの費用はどのくらいかかりますか?
火災保険申請サポート会社によっても違いますが、概ね33%~44%と言われいます。
もっと高いところもありますが、そのぐらいが多いでしょう。
まれに非常に低い金額で受付している業者もありますが、工事とセット契約が必須となっているため、辞めて起きた方がいいでしょう。
火災保険申請サポート会社はどのように選んだらいいでしょうか?
選ぶ基準を簡単にご説明します。まずは、悪質業者を避けることを一番に考えてください。その上で、良質な業者を選んで下さい。
(悪質業者を避けるポイント)
- 飛び込み業者を選択しない
- 工事とセット契約は断る
- 契約書に特定商取引法の記載がなければ、断る
- HPのある会社を選ぶ
(良質な業者の選び方)
- 火災保険申請サポート件数実績が多い
- HPを整備している
- 電話番号の記載がある
- 適正な手数料で行っている
自分で火災保険を申請した方がお得でしょうか?
確かに、全ての手続きを自ら時間をかけて行なうことができれば、その方がお得です。
但し、請求漏れが発生してしまう可能性が高いので、結果的に損をする事になります。
直接会って相談をさせてもらうことも出来ますか?
可能です。全国対応が可能な会社もありますので、相談が出来ます。
直接会って、気に入らなければ、断ってもらっても大丈夫です。
ご相談下さい。
火災保険申請サポートを依頼して、保険請求できる事故が全くない場合には、費用はかかりますか?
出張料はかかりませんので、ご安心ください。申請サポート手数料が低いところは、出張料を取っているところもあります。大体が規模の小さいところが多いでしょう。大手は、保険金を受け取ったときに33%程の手数料をもらって終わりということにしているので、自分で手出しをすることがなく頼むことが出来ます。