「火災保険って台風の被害にも保険金が適用されるの?」
「風災では、どういったケースが保険の適用対象となるの?」
「そもそも風災って何?」
上記のような疑問を持つ方もいることでしょう。火災保険の対象は火災だけではありませんが、申請する機会も滅多にないため、申請して良いかどうか悩んでしまいますよね。
この記事では、火災保険の“風災”について詳しく解説しています。風災の申請事例も紹介していますので、どういったケースが補償対象になるかも分かるようになるでしょう。
この記事を読むことで、“風災の保険申請の対象”が自宅にあることに気付くかもしれません。ぜひとも参考にしていただけると幸いです。
火災保険の風災が適用される申請事例の前に
火災保険の風災が適用される申請事例の前に、“風災”について、イマイチ分からない方も多いのではないでしょうか。
まずは、火災保険の風災について分かりやすく具体的に説明していきましょう。
そもそも風災ってなに
風災とは、強風による被害全般を指します。台風や竜巻はもちろん、強い風でおきた被害も対象になります。
ただ、風災の基準は「最大瞬間風速」をもとにして決められています。定義では、「風速20メートル以上の風が3秒間」吹くと風災として認められるのです。
特に風災としての被害が多いのが、台風です。台風は瞬間最大風速が40~50メートルになることも多く、風災による被害を受けやすいといえるでしょう。
強い風による被害
強い風による被害には、どんなものがあるのでしょうか?
例えば、強風で屋根瓦が飛ばされた、瓦が割れたりヒビが入ったりしたという被害が考えられます。
また、風災による二次被害も補償の対象です。風によって飛んできた飛来物で窓ガラスが割れた、屋根瓦がズレた箇所から雨漏りをおこしている、といった二次被害も風災になります。
風災といっても被害はさまざまです。火災保険の風災が適用される申請事例については、後述で詳しく説明しています。
火災保険の風災の申請事例の前に注意するべきこと
火災保険の風災の申請事例を紹介する前に、申請する際、注意するべきポイントを3つ説明します。
- 申請期限を把握する
- 経年劣化のケースは申請が不可である
- 過失・故意の場合はNG
1つずつ見ていきましょう。
申請期限を把握する
火災保険の申請期限は、被害が起きてから3年以内と保険法95条で定められています。
保険法(平成20年6月6日法律第56号)
第95条(消滅時効)
保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。
2.
保険料を請求する権利は、これを行使することができる時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
引用元:保険法(平成20年6月6日法律第56号) 第95条(消滅時効) (em-net.ne.jp)
自然災害の被害を受けて3年が経過すると、火災保険の請求権が消滅=保険金を受け取ることができなくなるのです。
また、保険法とは別に各損害保険会社が独自に申請期限を定めているケースもあるので、必ず確認しておきましょう。申請期限は、約款に記載されています。
経年劣化のケースは申請が不可である
経年劣化は自然災害ではないため、申請しても火災保険は下りません。
例えば、根本的な原因が建物の老朽化だった場合、火災保険の対象外になります。経年劣化は、屋根の見た目によくあられます。
屋根が劣化することで雨漏りがおき、建物の内部にまで被害が広がっていくのです。その場合も根本的な原因は屋根の経年劣化にあるため、風災被害として認められません。
経年劣化が風災被害として認められない理由として、建物は自然に劣化・老朽化していくところにあります。経年劣化か自然災害か、素人では判断が難しくもあるので、火災保険申請サポート業者の無料調査を利用するのも1つの手です。
過失・故意の場合はNG
契約者に過失があったり、故意に被害を起こしたりした場合も火災保険の補償対象外です。
契約者の不注意で窓ガラスを割ってしまったり、自ら屋根の瓦を剝がしたり・割ったりしても、契約者・被保険者の責任なので火災保険は下りません。
風災で良くあるのが、台風や強風の日に窓を開けっぱなしにしていて、建物や家財が被害を受けたケースです。この場合、必要もないのに窓を開けた契約者の過失となります。ですので、窓を開け放していたケースでは、風災だと認められません。
また、仮に嘘と把握しながらも火災保険の申請をした場合、保険金詐欺といった犯罪になるので覚えておきましょう。
火災保険の風災が適用される申請事例

火災保険の風災が適用される申請事例として、下記の7つがあります。
- 屋根
- 雨漏り
- 雨樋
- 軒店
- ベランダ
- 外壁
- フェンス
1つずつ見ていきましょう。
申請事例:屋根
屋根は普段目にする機会も少ないので、風災による被害が出ていたとしてもなかなか気付かない箇所です。屋根の被害は放置していると、修理費用が高額になります。
屋根は調べると損害が見つかることも多い場所なので、一度も点検をしていないのであれば、無料調査で点検してもらいましょう。
瓦浮きと瓦のずれ
風災によって、屋根の瓦がズレたり浮いたりしてしまうケースがあります。少しでもズレていると、雨が入り込んで雨漏りを起こしてしまう可能性もあります。
瓦が浮いていれば、いつ雨漏りを起こしてもおかしくない状態です。瓦が剥離してしまうと、脱落してくることもあるので非常に危険です。
瓦のヒビ・われ
瓦が割れることで雨漏り以外にも、脱落したり破片が飛ばされたりする可能性があります。
瓦と瓦をつなぐ漆喰が割れている場合、隙間から浸水して雨漏りをおこすことも考えられるでしょう。瓦がいつ脱落してもおかしくありません。
釘抜け
強風の影響で、屋根を固定している板金の釘が抜けるケースもあります。釘が抜けてしまったら、屋根の間に大きな隙間ができ、雨漏りにつながる可能性も非常に高くなるでしょう。
仮に釘が抜けかけている状態だったとしても、釘が抜け落ちるのは時間の問題です。
申請事例:雨漏り
屋根の下には防水シートといった下地が貼られているので、多少の水が入っても雨漏りにはなりません。
ですが、そのまま放置しておくと耐久性にも限界があるので、いずれ雨漏りしてしまいます。また、雨漏りはカビの原因にもなるのです。
申請事例:雨樋
雨樋は屋根に溜まる雨を排水する役割を果たしています。雨樋が変形したり破損したりすると、建物に雨水がかかり続けてしまうのです。
よって、建物の耐水性を低下させていく可能性があるでしょう。雨樋が変形したり破損したりすれば、排水する役割を果たせません。
申請事例:軒店
軒店に隙間が空いてしまうと、雨水が侵入してきてしまいます。雨水が侵入することで、腐食させる恐れや脱落してくる恐れがあります。
風の勢いが強すぎると、軒店を変形させてしまう可能性があるのです。
申請事例:ベランダ
ベランダの波板はもろいので、飛来物が当たるとすぐに穴が空いてしまいます。台風時の飛来物には、特に気を付けたいところです。
ベランダ自体は、目にする機会も多いので、被害が出た場合は早期に気付きやすいです。
申請事例:外壁
外壁は頑丈そうに見えますが、風災によって損害を受けることも珍しくありません。外壁に隙間ができれば、壁からの雨漏りにつながる可能性があります。
飛来物が直撃し、外壁の一部が破壊されてしまうことも有り得るでしょう。外壁がブロック型になっていると、強風でブロックが剥がれることも多々あります。
申請事例:フェンス
フェンスも風災で歪んでしまったり、倒れてしまったりすることがあります。また、骨組み自体に損害はなくとも、目隠しが破損する可能性もあります。
フェンスも屈強に見えますが、意外と強風に弱いです。台風や強風の日の翌日は、フェンスに被害が出ていないかもチェックしておきたいところです。
火災保険の風災が適用される場合には速やかに申請しよう
火災保険の風災が適用される被害を発見した場合、速やかに申請する必要があります。
申請する際の流れとして大まかに説明すると、下記のようになります。
- 保険会社に連絡する
- 必要書類を提出する
- 保険会社が調査し結果が出る
1つずつ見ていきましょう。
保険会社に連絡する
風災による被害を発見した場合、まずは加入している損害保険会社に連絡しましょう。契約者氏名や保険証券番号はもちろん、事故内容や被害状況も聞かれるので、慌てずに落ち着いて答えましょう。
最後に、保険会社から必要書類についての案内があります。
必要書類を提出する
風災申請において、必要な書類は下記の4点です。
- 保険金請求書
- 事故状況説明書
- 修理見積書
- 被害箇所の写真
保険の契約者が記入するのは保険金請求書・事故状況説明書の2点です。修理見積書・被害箇所の写真は修理業者に依頼すると、作成・撮影してくれます。
ですが、被害箇所の写真は被害を発見したときに、自分でも撮影しておくと良いでしょう。
被害箇所が変化している可能性もあるからです。
4点の書類が完成したら、損害保険会社に一式で送りましょう。
保険会社が調査し結果が出る
書類を送ったら、後は保険会社の審査結果を待つだけです。保険金が下りる場合、基本的には請求後30日以内に指定した口座へ振り込まれます。
また、被害状況によっては保険会社の鑑定人が現地へ調査にくる可能性も考えられるでしょう。調査が長引いたり損害額が大きかったりする場合は、保険金の振り込みが30日を越えることもあります。
火災保険に関するよくある質問
火災保険に関する“よくある質問”として、下記4つの質問が挙げられます。
- 保険金は課税されるのか
- 保険金の使い道はどうするべきか
- 火災保険を何度も利用することは可能ですか
- 火災保険が適用された後の保険料はどうなるのか
1つずつ詳細を見ていきましょう。
保険金は課税されるのか
火災保険で下りた保険金は課税されません。なぜなら、火災保険は被害を埋め合わせるために保険金が支払われるからです。
よって、火災保険は非課税であり、税金がかかることはありません。ただ、法人で所有している建物(店舗や事務所)だと、課税対象になりますので留意しておきましょう。
保険金の使い道はどうするべきか
火災保険で下りた保険金の使い道は“自由”です。言い換えると、必ずしも修理に使う必要はありません。貯金や娯楽に使ったとしても、問題ではないのです。
ただ、修理をせずに放置して、更に被害を受けてしまったとしても、保険の対象外となります。また、修理業者に見積もりを依頼した際は、見積もりと修繕工事がセットになっている場合も多いです。
火災保険を何度も利用することは可能ですか
火災保険は契約中であれば何度でも申請可能です。利用回数に制限は設けられていません。
ただ前述したように、保険金で修理をせずに放置して、被害が拡大したとしても補償の対象外となってしまいます。
ですが、保険金で被害箇所を修理したにもかかわらず、再度同じ場所に被害を受けてしまった場合は、補償の対象です。
火災保険が適用された後の保険料はどうなるのか
火災保険が適用され、保険金を受け取ったとしても、保険料が上がることはありません。何度申請しても、保険料は一定の金額となります。
自動車保険であれば保険料は上がってしまいますが、火災保険は等級制度を設けていないので、保険の申請をしても保険料は上がりません。
まとめ:火災保険風災の申請に関する事例は以上です

この記事では、火災保険の風災について詳しく解説し、風災が適用される申請事例も解説しました。
風災で屋根が損害を受けるケースは良くありますが、日常生活で屋根を見る機会もなかなかないため、被害が出ていることに気付きません。ですので、調査した際に初めて損害が分かることが多いのです。
また、建物は経年劣化していくものなので、自然災害による被害か経年劣化か分かりづらくもあります。火災保険申請サポートへ定期的に無料調査を依頼することで、損害箇所があれば、早く発見できるようになるでしょう。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。